スピード撤退を決断する大原孝治氏の経歴

ドンキホーテホールディングスの社長兼CEOである大原孝治氏の経歴には、ドンキホーテやMEGAドンキホーテ、ピカソと言ったものがあります。国内外のグループ店舗数が400店を達成しているドンキホーテですが、大原孝治氏は2度のオフィス街への出店を失敗した経歴があります。1回目は新橋の銀座ブランド館で、2回目は神田神保町に出店した神保町靖国通り店です。神保町靖国通り店では開店からわずか8ヶ月での閉店となりましたが、どちらの店舗も自社の所有物件だったため、スピード撤退してもダメージはありませんでした。

閉店までの決断のスピードはオープンから2週間程度で、周辺を歩いている人たちがみんなネクタイを締めていることや、土日は人が少ないことから判断しています。店舗の閉店にはダメージがありそうですが、ドンキホーテホールディングスでは閉店後も不動産事業に展開するなど、即座に閉店の決断が下せて戦略の転換ができる経営をしています。また所有物件ではなくても、これまでに閉店した店舗でダメージを負った店舗はないようです。
ドンキホーテホールディングスは出店に対して強力なロジックを構築し、2017年6月期の新規出店数は32店舗、閉店は5店舗と出店拡大を続けています。様々な業態で商圏やロケーションに沿った出店が可能であり、居抜き物件を中心にしてコストを抑えていること、周辺の系列店とは違う個店主義をしていることなどが積極展開・スピード撤退を可能にしています。